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民法でいう時効とは、長い間権利をほったらかしにしたらその権利を失ったり、
逆に長い間継続して、例えば土地を占有してたりすると
その土地の所有権を取得したりする事をいいます。
前者のことを難しくいうと「消滅時効(民法167条)」といい、
後者の事を「取得時効(民法162条)」といいます。
それでは具体例を見ていきましょう。
事例1 「借金の時効の話」(消滅時効)
AさんがBさんに10万円借りました。
本来ならBさんは、いつになっても貸したお金を返せ
と言えるのが当たり前のように思えます。
ところが、お金を貸してから10年間、
BさんがAさんに対して何の請求もしないで放って置くと、
もはやお金を返せとはいえなくなってしまうのです。
Aさんが10年間知らんふりをしていれば、
Bさんは泣き寝入りするしかないのでしょうか。
返さずに知らんふりをしているのが勝ちだなんてちょっと納得いかないですよね。
そこで、民法はその点について「時効の中断」という制度を設けています。
時効を中断させれば、またその日から10年経たなければ、時効は成立しません。
ですから、どうしてもお金を返してくれない人に対しては、
時効を成立させないために、とりあえず時効を中断させておく必要があります。
時効の中断の方法はいろいろあるのですが、
ここでは手っ取り早い方法についてお話しましょう。
まず、BさんはAさんに対して
「とりあえず、1000円でもいいから返して欲しい。」ともちかけます。
Aさんの方も、「1000円くらいなら…。」
と気持ちよく返してくれるでしょう。
この時、債務一部弁済書を発行して下さい。
日付、本人の署名をもらい、そして『10万円の借金の一部として』
と書きこむことがポイントです。
これにより、債務の承認がなされたことになり、時効が中断されることになるのです。
事例2 「他人の土地が自分のものに!?」(取得時効)
Cさんは、甲土地を11年前から自分のものだと思いこんで、畑を作っていた。
ある日、Dさんという人が来て、「そこはうちの土地だから、返して欲しい。」
と言われ、びっくりしてしまった。
登記所で調べてみると、この土地の名義はDさんになっていて、
どうやら本当にDさんの土地であったらしい。
この場合、何の過失もなく自分の土地と思いこんで畑を作っていたCさんは、
Dさんにこの土地を返さなければならないのでしょうか。
この点、民法では「10年間所有の意思をもって平穏且つ公然に
他人の不動産を占有したる者はその占有の始め
善意にして且つ過失なかりしときは、
その不動産の所有権を取得す。
20年間所有の意思をもって平穏且つ公然に
他人の不動産を占有したる者はその所有権を取得す。(162条)」
と定められています。
Cさんの場合は、10年間所有の意思をもって、
平穏かつ公然にDさんの土地を占有していたことになりますから、
162条前段により、すでに甲土地を時効取得しているということになります。
したがって、Cさんはこの土地を返さなくていいということになります。
それでは、もしDさんが返して欲しいと言って来るのが
畑を作り始めて5年目だったらどうでしょう。
もうお分かりだと思いますが、この場合はまだ時効が成立していないので、
返さなければならないということになります。
「消滅時効」「取得時効」について、少しだけ触れてみました。
もしも判例六法を持っていらっしゃるならば、
判例など読んでみると楽しいかもしれません。
また、消滅時効には短期のものもあり(例えば飲み屋のツケは1年、売掛金は2年など)、
自分の生活に関わりがありそうな部分については、
勉強しておくほうがいいかもしれません。
(1.「時効」を知る初めの一歩 終わり)

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