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このページでは、法律を知る初めの一歩となるよう、法律用語を解説していきます。
<目次>

1.「時効」を知る初めの一歩
2.「不法行為」を知る初めの一歩
3.「抵当権」を知る初めの一歩
4.「保証」を知る初めの一歩
5.「認知」を知る初めの一歩 
6.「養子」を知る初めの一歩 
7.「相続」を知る初めの一歩(その1)

8.「相続」を知る初めの一歩(その2)



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1.「時効」を知る初めの一歩


民法でいう時効とは、長い間権利をほったらかしにしたらその権利を失ったり、

逆に長い間継続して、例えば土地を占有してたりすると

その土地の所有権を取得したりする事
をいいます。

前者のことを難しくいうと「消滅時効(民法167条)」といい、

後者の事を「取得時効(民法162条)」といいます。

それでは具体例を見ていきましょう。

  

事例1 「借金の時効の話」(消滅時効)

AさんがBさんに10万円借りました。

本来ならBさんは、いつになっても貸したお金を返せ

と言えるのが当たり前のように思えます。

ところが、お金を貸してから10年間、

BさんがAさんに対して何の請求もしないで放って置くと、

もはやお金を返せとはいえなくなってしまうのです。

Aさんが10年間知らんふりをしていれば、

Bさんは泣き寝入りするしかないのでしょうか。

返さずに知らんふりをしているのが勝ちだなんてちょっと納得いかないですよね。

 

そこで、民法はその点について「時効の中断」という制度を設けています。

時効を中断させれば、またその日から10年経たなければ、時効は成立しません。

ですから、どうしてもお金を返してくれない人に対しては、

時効を成立させないために、とりあえず時効を中断させておく必要があります。

時効の中断の方法はいろいろあるのですが、

ここでは手っ取り早い方法についてお話しましょう。

 

まず、BさんはAさんに対して

「とりあえず、1000円でもいいから返して欲しい。」ともちかけます。

Aさんの方も、「1000円くらいなら…。」

と気持ちよく返してくれるでしょう。

この時、債務一部弁済書を発行して下さい。

日付、本人の署名をもらい、そして『10万円の借金の一部として』

と書きこむことがポイントです。

これにより、
債務の承認がなされたことになり、時効が中断されることになるのです。

  

事例2 「他人の土地が自分のものに!?」(取得時効)

Cさんは、甲土地を11年前から自分のものだと思いこんで、畑を作っていた。

ある日、Dさんという人が来て、「そこはうちの土地だから、返して欲しい。」

と言われ、びっくりしてしまった。

登記所で調べてみると、この土地の名義はDさんになっていて、

どうやら本当にDさんの土地であったらしい。

この場合、何の過失もなく自分の土地と思いこんで畑を作っていたCさんは、

Dさんにこの土地を返さなければならないのでしょうか。

 

この点、民法では「10年間所有の意思をもって平穏且つ公然に

他人の不動産を占有したる者はその占有の始め

善意にして且つ過失なかりしときは、

その不動産の所有権を取得す。

20年間所有の意思をもって平穏且つ公然に

他人の不動産を占有したる者はその所有権を取得す。(162条)」

と定められています。

Cさんの場合は、10年間所有の意思をもって、

平穏かつ公然にDさんの土地を占有していたことになりますから、

162条前段により、すでに甲土地を時効取得しているということになります。

したがって、Cさんはこの土地を返さなくていいということになります。

 

それでは、もしDさんが返して欲しいと言って来るのが

畑を作り始めて5年目だったらどうでしょう。

もうお分かりだと思いますが、この場合はまだ時効が成立していないので、

返さなければならないということになります。

 

「消滅時効」「取得時効」について、少しだけ触れてみました。

もしも判例六法を持っていらっしゃるならば、

判例など読んでみると楽しいかもしれません。

また、消滅時効には短期のものもあり(例えば飲み屋のツケは1年、売掛金は2年など)、

自分の生活に関わりがありそうな部分については、

勉強しておくほうがいいかもしれません。

(1.「時効」を知る初めの一歩 終わり)         
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2.「不法行為」を知る初めの一歩


不法行為とは、文字通り、他人に対して不法(違法)な行為を行うことにより

損害を与える事で、このような損害を与えた相手方からは、

損害賠償責任を追求される事になります。

これを不法行為責任といいます。

 

この不法行為責任は、様々な場面で問題となります。

例えば、交通事故で相手にケガをさせた場合、ちゃんと保険に入っていれば、

大抵の場合、保険会社が相手方にお金を払ってくれるので

あまり感じないかもしれませんが、その場合でもきっちり

不法行為
による損害賠償請求権が発生しています。

その他にも、最近よく問題となっている病院の医療ミス

患者が死亡したような場合や、公害薬害による損害賠償請求訴訟なんかも、

不法行為責任に基づいてやっている場合が多いのです。

あと、よく名誉毀損で慰謝料を請求するなどというのもよく聞きますが、

あれも不法行為責任に基づいて請求しています。

  

不法行為責任にもいろいろな類型があります。

例えば、人を殴ってケガをさせた場合、

殴られた人は殴った人に対して治療費・慰謝料などの

損害賠償を不法行為責任に基づいて請求できます。

これをノーマルな、という意味で一般不法行為責任といいます。

 

次に、例えば5歳の子供が投げた石にあたって

ケガをしたという場合、理論的に考えればその子供に対して

不法行為責任を追及することになりそうですが、

民法上、責任能力がない者に対しては

不法行為責任を追及できないことになっています(712条)。

(ちなみに、責任能力はだいたい12歳ぐらいで認められるようです。)

また、実際にも5歳の子供に払えといったって払えないし、

普通の感覚でいえば親が責任を取るということになるでしょう。

そこで、親など(場合によっては幼稚園の先生など)にも

損害賠償を請求できるとするのが監督者責任(714条)といわれるものです。

 

次に、例えば、トラックの運転手が荷物を運搬中、居眠り運転で

事故を起こしたような場合、その事故でをケガした人は

その運転手はもちろん、運転手を雇っている会社にも

損害賠償を請求することが出来ます。

これを、使用者責任(715条)といいます。

(もちろん、なんでもかんでも責任を負うわけではなく、

業務中の事故などに限ります。)

  

他にもいろいろな類型の不法行為責任がありますが、

最後に、少し前に話題になった

製造物責任法(Product Liability、略してPL法

について少し触れておきます。

例えば、テレビを買ってきて設置し、電源を入れたところ

いきなり爆発して家が壊れた、といったような場合、

民法の一般不法行為責任に基づいて損害賠償を請求できそうです。

しかし、実はこの請求をするには相手方(製造者)に

過失があることを証明しなければならず

(いきなりテレビが爆発するような極端な場合はともかく)、

意外にその証明が難しかったりします。

そこで、このような被害にあった人の救済をしやすくしようと

いうことで作られたのがPL法なのです。

どういう風にしたかというと、簡単にいえば、

この場合でいうと製造者に過失が合った事の証明は不要で、

そのテレビに欠陥があったということさえ証明できれば

損害賠償請求を認るようにしたのです。

 

以上、不法行為についてほんとに大まかに説明してきましたが、

要するに不法行為責任とは、「物を売ったが相手がお金を払ってくれない」といったような

一応取引関係があるような場合ではなく、

(このような場合にも損害賠償は請求できますが、これは不法行為ではなく、

債務不履行といわれるものによるのが普通)、

いわれもないのにいきなりとんでもない目にあわされた

ような時に損害賠償を請求して損害の填補をできるようにしたもの

だということが出来るでしょう。

(2.「不法行為」を知る初めの一歩 終わり)         
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3.「抵当権」を知る初めの一歩


抵当権って言葉、聞いたことありますか?

よく「あの物件は抵当に入っている」とかって聞きますよね。

抵当権というのは、お金を返してもらうのがうまくいかなかった時のために、

あらかじめ、お金を貸した人(Aさんとします)が、

借りた人(Bさんとします)の土地や建物に設定しておく権利です。

 

*一口メモ1*
 抵当権を設定する時は、登記をしておかなければ、他の人に対抗できません。

*一口メモ2* 
抵当権を設定するのは、第三者の土地や建物でもかまいません。(この人のことを物上保証人といいます。)
もちろん、勝手にしてはダメです。貸す人と物上保証人とで契約する事が必要です。

  

では、じゃあ抵当権を設定していたら具体的にはどうなるのかといいますと、

例えば、借りた人Bさんが支払いを続けられなくなった場合には、

Aさんは抵当権を設定していた土地とか建物を競売して、

その売ったお金から返してもらえるということになります。

 

*一口メモ3*
 競売とは、裁判所がその不動産を買いたい人を募集して、一番高い値段を付けた人に売却するという制度です。

 

もし、Aさんが抵当権を設定していなかったら、どう違ってくるのでしょう。

例えば、他にも同じBさんにお金を貸している人(Cさんとします)がいる場合に、

CさんがBさんの土地に抵当権を設定していて、

Bさんにはその土地以外に財産が無かったような場合には、

Cさんはその土地を競売したお金から優先的に返済をしてもらえるけれども、

AさんはCさんに返済した分の残りからしか返してもらえない

ということになるわけです。

  

では、すでにBさんの土地に、第1順位にDさんの抵当権(債権額700万円)、

第2順位にさんの抵当権(債権額500万円)が設定されていたらどうでしょう。

例えば、Bさんの土地の時価が1000万円としましょう。

Aさんが第3順位に抵当権を設定して、「抵当権を設定したから安心だ」

などと言っていてはダメです。

Bさんの土地を競売しても、まずはDさんに支払われ、次にEさんに支払われ

それでもなお残金があればAさんにも支払われますが、

残っていなかったら支払ってもらえないのです。

今回の場合は、第1順位のDさんが700万円、

第2順位のEさんが300万円もらうことができますが、

残金はありませんので、第3順位のAさんは

土地を売ったお金からは一円も支払ってもらえないということになります。 

このように、抵当権を設定する時には、

その土地や建物の登記簿を見るなどして、

現在のその土地の状況をしっかり分析してから設定しないと、

意味がありませんので気をつけて下さい。

(3.「抵当権」を知る初めの一歩 終わり)                 
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4.「保証」を知る初めの一歩

人から頼まれて借金の保証人になったことはありますか?

その人は信用できる人ですか?

その人はもうお金を返し終わりましたか?

その人は他にも借金をたくさん抱えていませんか?



なぜこんな質問をしたかは後から説明するとして、

まずは、保証の概要について話していくことにしましょう。

「債務者Aさんが、債権者Bさんに対して、

債務の弁済ができなかった場合に、Cさんが代わって弁済する」

これが、保証の形です。

この場合、Cさんを保証人といいます。

*一口メモ*
借金の場合でいうと、債務者とは借りた人のことで、債権者とは貸した人のことです。




他人の保証人になっても、債務者であるAさんがきちんと返済をすれば、

保証人であるCさんには、特に不利益なことはありません。

しかし、Aさんがお金を返せなくなると、

債権者Bさんは保証人Cさんに対して、お金を支払うように請求してきます。

Cさんは自分は全くお金を使っていないのにもかかわらず、

泣く泣く債権者Bさんに対して支払いをすることになります。

もちろん、代わりに支払いをするのですから、もともとの債務者であるAさんに、

お金を支払うように請求できることになってはいますが、

Aさんにお金が無いから、こんなことになっているわけで、

当然、返してもらえないことがほとんどです。



それでは、初めに戻りましょう。

「破産」という言葉を聞いた事がありますか?

最近は、テレビなどでもよく耳にしますよね。

破産するとどうなるかご存知でしょうか。

破産して、さらに免責決定というのを受けて、それが確定すると、借金はなくなります。

では、Aさんが破産し、免責決定を受けてそれが確定したとしましょう。

そうするとAさんの借金はなくなります。

保証人であるCさんも、「借金がなくなって良かった・・・」

とほっとしている場合ではありません。

たとえ、債務者のAさんが破産し免責されていても、

保証人のCさんが支払い義務を負っていることに変わりはないのです。


じゃあ、Cさんが払った分を、Aさんに請求して

返してもらえばいいじゃないかと思うかもしれませんが、

法律上は、Aさんには返済する義務は無くなっているので、

Aさんが人情の厚い人で、自発的に返す場合を除いて、

Aさんからの支払いはあり得ないということになります。



ですから、保証人になるときには、

その人が信用できるかどうかを見きわめることはもちろん、

他にもたくさん借金を抱えているようなら(多重債務者)

破産する可能性はないかなど、きちんと見きわめることが必要でしょう。

(4.「保証」を知る初めの一歩 終わり)             
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5.「認知」を知る初めの一歩


「結婚していない相手との間に子どもができてしまった。

子どもは一体どうなるの?

どうしても産みたい。 相手に養育費とか請求できるんだろうか。」



結婚していない人との間に生まれた子どもは、

お母さんとの間では、分娩したことで当然に親子となりますが、

父親との関係では、「認知」が必要となります。



では、認知をするとどうなるのでしょうか。

認知をすると、法律上、父子関係が生じます。

戸籍には父として父親の名前が載ります。

法律上、父子関係が生じる事により、
父親に、子どもを扶養する義務が生じるので、

父親に対して、養育費を支払うよう請求することができるようになります。



では、結婚している父母との間に生まれた場合と、

結婚していない父母との間に生まれた場合とではどういうところが違うのでしょうか。

結婚している父母との間に生まれた子は、
「嫡出子」と言われます。

これに対して、結婚していない父母との間に生まれた子は、
「非嫡出子」と言われます。

「嫡出子」と「非嫡出子」とで大きな差がでるのは、相続の時です。



父親が亡くなった場合を考えてみましょう。

父親には結婚している妻との間に1人の子Aがいて、

結婚していない女性との間に認知した子Bがいたとしましょう。

この場合、Aは嫡出子、Bは非嫡出子ということになります。

民法900条を見ると、

「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1」と書かれています。

例で考えると、Aの法定相続分が100万円ならば、

Bの法定相続分は50万円ということになります。



では、その他の認知についての疑問をいくつか解消していきましょう。


Q)子どもがお腹にいる間には、父親は認知はできないのでしょうか?

A)母親の承諾があれば、認知することができます。(民法783条)


Q)一度した認知を撤回したいんだが…。

A)一度した認知は撤回することはできません。(民法785条)


Q)父親がどうしても認知してくれません。どうしたらよいのでしょうか。

A)認知の訴えをすることが法律で認められています。(民法787条)


Q)父親が認知した後に、結婚することとなりました。子どもは非嫡出子のままですか?

A)父母の結婚によって、非嫡出子だった子どもも、嫡出子となります。(民法789条)


(5.「認知」を知る初めの一歩 終わり)                 
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6.「養子」を知る初めの一歩

養子には、普通養子制度特別養子制度の2つがあります。

一般に「養子」と言う場合、このうちの普通養子のことを言っているのだろうと思います。 

養子縁組契約を結ぶと、養子は嫡出子(第7号参照)の身分を取得する結果、

@養子は養親の氏を称する

A養親子は相互に相続権を有する

B養子が未成年であれば、養親の親権に服するなどの効力を生じ、

その他にもC養子と養親の血族との間にも親族関係が生じる一方、

養子と実親(生みの親)との間の親子関係はなくなりません。 



これに対し、特別養子縁組においては、以上の効果に加え、

養子と実親との間の親子関係も終了させるという効果が認められています。

(また、戸籍上も一定の有利な取り扱いを受けます)

これは、養親となる者が、子供を本当の親子として育てていきたいと強く望むような場合、

養子となる者と実親との関係を完全に終了させたほうがよい場合もあるため、

普通養子組とは別個に作られた制度です。



ただ、特別養子縁組は実親との親子関係を終了させるという強い効力を持つものですので、

普通養子縁組に比べ認められるためには重い条件が課せられています。

例えば、養子となるの年令について、普通養子の場合には特に制限はありませんが、

特別養子の場合には原則として6才未満の者しかなれません

また、普通養子の場合には合意の上で届出をすれば養子縁組が成立しますが、

特別養子の場合家庭裁判所に審判の申立をして、

許可決定をもらわなければ
することはできません。

この時、通常家庭裁判所の調査官によって特別養子縁組をするのが妥当であるかどうか、

養親や養子に直接面接し、また、養親の資力や職業についてなどの調査がなされます。



このように、特別養子縁組は、普通養子縁組と比べてより実の親子に近い関係を築ける反面、

実親との親子関係を断絶するという子供にとっても重大な効果を伴うものであることから、

厳しい条件が付けられているのです。



(6.「養子」を知る初めの一歩 終わり)                  
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7.「相続」を知る初めの一歩(その1)


法律上、相続権者とされているのは
、孫などの直系卑属

実親、祖父母などの
直系尊属、そして配偶者兄弟姉妹です。

被相続人が死亡し、遺言がない場合、

これらの者に対して 被相続人の財産を誰がどれだけ相続するか、

ということについては、法律上決められています。

これを、
法定相続といいます。


まず、第一順位(最も優先的に財産を相続する者)は、直系卑属であり(887条)、

直系尊属(第二順位)や 兄弟姉妹(第三順位)は、

被相続人に子供がいない時に(兄弟姉妹については直系尊属もいない時に)

はじめて財産を相続する権利があることになります(889条)。


これに対して、
配偶者は常に相続人となり(890条)、

他に子が相続人となる場合には被相続人の2分の1の財産を、

他に親が相続人となる場合には3分の2を、

他に兄弟姉妹が相続人となる場合には4分の3を、 相続する事となっています(900条)。


以下、具体的に見ていきましょう。  

Q) 父Aには妻Bと子供C・D及び祖父Eがおり、遺産は1000万円でした。
   誰がどれだけ遺産を相続することになるのでしょうか。


A) まず、妻Bは必ず相続人となります。
   そして、子供C・Dも第一順位なので相続人となります。
   しかし、祖父Eは、子供C・Dがいる以上相続人とはなりません。
   そして、妻は2分の1の500万を相続し、子CDは残りの500万を2分の1ずつ、
   すなわち250万ずつ相続することになります。

Q) 父Aには妻Bと祖父Eがいるが、子供はいません。 遺産は1500万でした。
   誰がどれだけ遺産を相続することになるのでしょうか。
     

A) 父Aには子供がいないので、第二順位である祖父Eが相続人となります。
   そして、Q1と同様、妻Bは常に相続人となり、3分の2すなわち1000万円を相続し、
   祖父Eが残りの500万を相続することとなります。    

Q) 父Aには妻Bと兄弟F・Gがおり、子供はなく、両親や祖父母もすでに亡くなっています。
   遺産は1000万円でした。誰がどれだけ遺産を相続することになるのでしょうか。
     

A) この場合は、妻Bと兄弟F・Gが相続人となります。
   そして妻Bは4分の3の750万を、兄弟F・Gは残りの250万の2分の1ずつ、
   すなわち125万円ずつ相続することになります。      

Q) 父Aには子C・D及び祖父Eがいるが、妻Bはすでに亡くなっています。遺産は1000万円でした。
   誰がどれだけ遺産を相続することになるのでしょうか。 

A) この場合、子C・Dは相続人となりますが、祖父Eは、子C・Dがいる以上相続人にはなれません。
   従って、子C・Dが500万ずつを相続することになります。

Q) 父Aには妻B及び嫡出子C・D並びに非嫡出子Hがいます。遺産は1000万円でした。
   誰がどれだけ遺産を相続することになるのでしょうか。     

A) 妻B及び子C・D、そして非嫡出子Hも子である以上相続人となります。
   妻は、2分の1の500万円を相続します。
   しかし、非嫡出子は嫡出子の2分の1しか相続権がありませんので、
   HはC・Dの半分しか相続することはできません。
   従って、C、Dは200万円ずつ、Hは100万円を相続することになります。


(7.「相続」を知る初めの一歩(その1) 終わり)            




8.「相続」を知る初めの一歩(その2)


今回は、「遺留分」と「承認・放棄」について見ていきましょう。


実際的には、おじいちゃんが亡くなったというときは、

法定相続分に従って遺産を分けるというよりも、おじいちゃんの遺言に従って遺産を分けたり、

相続人間で話し合いをして遺産を分けることが多いでしょう。

では、自分が相続人であるのに、 おじいちゃんの残してあった遺言に、

「となりの甲さんに全部遺贈する。」 と書いてあったらどうでしょう。

自分は全く遺産を相続する事ができないのでしょうか。


こういう場合に対処するために、民法には「
遺留分」という制度があります。

遺留分というのは、

被相続人の兄弟姉妹以外の相続人について遺産の一部を保障する制度です。

民法1028条には「兄弟姉妹以外の相続は、遺留分として、左の額を受ける。

@直系尊属のみが相続人であるときは、被相続人の遺産の3分の1

Aその他の場合には、被相続人の財産の2分の1」
とあります。


具体例を見てみましょう。
 
亡くなったAさんには妻Bと息子C・Dがいました。

亡Aさんは、「全財産の1000万円をとなりの甲さんに遺贈する」

という内容の遺言を残していました。

この場合、1028条のAによると 妻B、息子C・Dには遺留分がありましたね。

具体的に計算すると、

妻Bの遺留分は 全財産の1/2の1/2(自分の法定相続分割合)

つまり、1000万円×1/2×1/2=250万円 ということになります。

息子C・Dについてはそれぞれ、 全財産の1/2の1/4(自分の法定相続分割合)

つまり、1000万円×1/2×1/4=125万円ずつ ということになるのです。  


それでは、次に相続の承認、放棄について見ていきましょう。

自分のお父さんが亡くなった際、 莫大な借金が残っていたとします。

この借金は一体どうなるのでしょうか。

そもそも相続財産というのは、財産をはじめ、債権や債務など一切のことをいいます。

ということは、この債務である借金も 相続するということになります。

財産を相続するのだから、 借金も相続するのは当たり前ともいえます。

しかし、財産はほとんどなく、残っているのは借金ばかり ということも少なくありません。  

そこで、民法には、「
限定承認」「相続放棄」という 制度があります。  

限定承認 (922条)をすると、

相続によって得た財産の限度においてのみ 被相続人の債務を弁済すればよいことになります。

この限定承認は 相続人全員で 家庭裁判所に申述する 必要があります。

また、相続放棄 (939条)をすると、 初めから相続人でなかったことになります。

つまり、財産も借金も相続しないということになります。

この相続放棄も 家庭裁判所に申述する 必要があります。 (全員でする必要はありません)


限定承認・相続放棄は、いずれも 相続があったことを知った時から

3ヶ月以内にする必要がある
ので注意しましょう。


(8.「相続」を知る初めの一歩(その2) 終わり)             



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